求人倍率と有効求人倍率とは?

はじめに

求人情報を見ていると、「求人倍率」や「有効求人倍率」という言葉が頻繁に登場します。これらの数値は就職活動において極めて重要な意味を持ちますが、その違いを正しく理解できていない人も多いのではないでしょうか。本記事では、求人倍率と有効求人倍率の定義から違い、意味合い、動向、就職活動での活用方法まで、幅広く解説していきます。就職を控えた方は必見の内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

求人倍率と有効求人倍率の定義

求人倍率の定義

求人倍率とは、求職者数に対する求人数の割合を表した指標です。具体的には、「求人数÷求職者数」の式で算出されます。求人倍率が1を超えていれば求人数の方が多く、1未満であれば求職者数の方が多いことを示します。

有効求人倍率の定義

一方、有効求人倍率は、充足が可能と考えられる求人のみを対象に算出された指標です。「新規求人数÷新規求職者数」の式で計算され、短期的な雇用動向を把握するのに適しています。

求人倍率と有効求人倍率の違い

計算方法の違い

求人倍率は、全ての求人数と求職者数を使って算出されますが、有効求人倍率は新規の求人と求職者のみを対象にしています。つまり、前者は総数に基づき、後者は新規の動きに基づく指標といえます。

考慮する求人数の違い

求人倍率の分母には、常用雇用を伴わない臨時的な求人も含まれています。一方、有効求人倍率の分子は、常用労働者の新規求人のみを考慮するため、より実質的な雇用ニーズを反映しています。

判断基準としての違い

求人倍率は総合的な雇用情勢を判断する際の指標として用いられますが、有効求人倍率は景気動向の先行指標としての役割が期待されています。

求人倍率の意味

求職者から見た意味

求人倍率が高ければ、求職者にとって就職が比較的容易であることを意味します。一方、倍率が低ければ求人が少なく、就職が難しい状況にあることを示唆しています。

企業から見た意味

企業側から見ると、求人倍率が高ければ求職者の確保が難しくなり、優秀な人材の確保が課題となります。逆に倍率が低ければ、人材の獲得が比較的容易になります。

地域別・業種別の違い

求人倍率には地域や業種による違いがあり、例えば東京都は全国平均よりも高い数値になる傾向があります。また、業種によっても倍率は変動するため、状況を確認する必要があります。

有効求人倍率の意味

求職者から見た意味

有効求人倍率が高ければ、新規で就職する機会が多いことを意味しています。一方、低ければ新規求人数が少なく、転職や新規就職が難しい状況にあることを示唆しています。

企業から見た意味

有効求人倍率が高い企業は、新規採用に力を入れていることがうかがえます。逆に低い企業は、新規採用に消極的であると考えられます。

マクロ的な視点

有効求人倍率は、景気動向の先行指標としての役割を果たします。倍率が高水準で推移すれば、景気の回復が期待できますし、低水準であれば景気後退のリスクが高まるためです。

求人倍率と有効求人倍率の動向

直近の推移

令和4年3月の全国の求人倍率は1.35倍、有効求人倍率は1.23倍と、いずれも1を上回る水準にあります。しかし、前年同月と比べると低下傾向にあります。

長期的な推移

求人倍率は景気変動に伴い上下していますが、平成に入ってからは低水準が続きました。有効求人倍率に関しては、令和に入ってから上昇傾向にあります。

景気動向との関係

求人倍率と有効求人倍率は、景気拡大期には上昇し、景気後退期には低下する傾向があります。そのため、景気の先行き判断の材料としても注目されています。

就職活動での活用方法

地域・業種の選定

地域や業種別の求人倍率を参考に、自身の就職先を選定することができます。倍率が高い地域や業種であれば、就職が比較的容易と考えられます。

企業の選定

有効求人倍率が高い企業は、新規採用意欲が旺盛であることが推測できます。そうした企業を就職先候補に入れることで、内定獲得のチャンスが高まります。

内定獲得の見通し

求人倍率や有効求人倍率が高ければ、内定の獲得が比較的容易であることが予想されます。一方、低水準の場合は内定が難しくなる可能性があるため、対策を立てる必要があります。

まとめ

求人倍率と有効求人倍率は、就職活動においてきわめて重要な指標です。本記事では、両者の定義と違い、求人倍率と有効求人倍率がそれぞれどのような意味を持つのか、動向はどうなっているのか、就職活動でどう活用できるのかを解説してきました。これらの理解を深めることで、就職活動をより効果的に進めることができるはずです。今後の就職活動に役立ててください。